「TikTokで採用なんて、うちには関係ない」——そう思っている採用担当者ほど、気づいたときには出遅れているケースが多いです。
2023年に実施された調査では、当時の新卒学生の約81%がTikTokで企業の動画を視聴した経験があり、そのうち80%超が「その企業に興味を持った」と回答しています。もはやTikTokは「若者が遊ぶアプリ」ではなく、採用活動の主戦場の一つになりつつあります。
ただ、TikTokで採用を始めようとしても、「何をどう撮ればいいか」「投稿頻度はどれくらいか」「誰が担当するのか」という実務的な部分でつまずく企業が非常に多い。この記事では、TikTok採用を実際に始めるための手順と、よくある失敗パターンを実務目線で整理します。
なぜ今、採用にTikTokを使う企業が増えているのか
背景には、求職者側のメディア接触の変化があります。Z世代(1997〜2012年生まれ)は情報収集をSNSで行う習慣が強く、企業の公式サイトよりも先に動画コンテンツで印象を形成することが多い。リクナビ・マイナビを「念のため確認する場所」として使い、TikTokで実際の社風や職場の雰囲気を確認してからエントリーを決める、という流れが出てきています。
採用TikTokが有効な理由はもう一つあります。テキスト主体のナビサイトでは伝えにくい「人」や「雰囲気」が伝わること。採用広告費をかけずに、社員が日常業務の延長で発信できれば、採用コストを下げながら自社カラーをリアルに伝えられます。
弊社が採用担当者からよく聞くのは、「求人票を出してもなかなか応募が来ない」という悩みです。TikTokは検索して見つけてもらうだけでなく、アルゴリズムが興味を持ちそうなユーザーに自動で届けてくれます。この「発見される」という構造が、従来型の採用手法にはない大きな特徴です。
TikTok採用アカウントの立ち上げ手順
アカウントの開設自体は難しくありません。ただ、最初の設計を雑にすると後で修正が大変になるので、この順番で進めることをおすすめします。
ステップ1:採用専用アカウントを作るか、既存アカウントを使うか決める
どちらが正解、というわけではないですが、採用目的に特化するなら専用アカウントの方が管理しやすいです。既存の企業アカウントに採用コンテンツを混在させると、ブランドの世界観と採用のトーンが合わなくなるケースがあります。
ただし、フォロワー0からスタートするのが不安であれば、既存アカウントで採用コンテンツをシリーズ化する方法もあります。弊社が見てきた中では、中小企業は専用アカウント、ある程度のフォロワーを持つブランドは既存アカウント活用が多い印象です。
ステップ2:ビジネスアカウントに切り替える
アカウント作成後、「設定 → アカウント管理 → アカウントを切り替える → ビジネスアカウント」で切り替えを完了させてください。無料で使えます。ビジネスアカウントに切り替えると、視聴者の属性や動画のパフォーマンスを詳細に確認できるインサイト機能が解放されます。
企業のTikTokアカウント開設の基本については、企業のTikTok始め方|アカウント開設〜初投稿まで実務手順もあわせてご参照ください。
ステップ3:プロフィールを採用仕様に整える
プロフィール設計で最も重要なのは「最初の1行」です。TikTokのプロフィール画面では冒頭しか表示されないため、「どんな会社で、何を発信するアカウントか」を1行で伝える必要があります。
- ユーザー名:会社名 + 「採用」「採用公式」などをつけると採用目的であることが一目でわかる
- 自己紹介文:募集職種・勤務地・企業の特徴を簡潔に。URL欄にはエントリーページを設定する
- プロフィール写真:会社ロゴか、フレンドリーな雰囲気の社員写真が効果的
ステップ4:固定動画に「チャンネル紹介」を置く
プロフィールから飛んできた求職者が最初に見るのが固定動画です。ここに「このアカウントで何が見られるか」を伝える30秒程度の紹介動画を置いておくと、フォロー率が上がります。
Z世代に響く採用動画の企画の立て方
「とりあえず会社紹介動画を作ればいいか」と考えていると、再生数が伸びずに終わります。TikTokで採用コンテンツとして反応が取れるのは、「リアルさ」と「発見感」がある動画です。
ネタの方向性:4つのカテゴリーで考える
弊社がクライアントの採用TikTokを支援するとき、コンテンツを大きく4つに分類して企画しています。
1. 日常・舞台裏系:オフィスの様子、社員の昼食、仕事中のちょっとしたやりとり。採用ナビには絶対載らない「リアルな社風」が伝わる
2. 仕事紹介・密着系:実際の業務の一日密着、プロジェクト現場の様子。「この会社でどんな仕事をするのか」がイメージできる
3. 社員インタビュー・対話系:「入社してよかったこと」「仕事でつらかった経験」など、正直な声を届ける。綺麗すぎる発言より少しリアルな本音の方が刺さります
4. Q&A・役立ち情報系:「選考フローは?」「リモートワークはできる?」「〇〇業界に向いている人の特徴」など。求職者が聞きたいことに直接答える形式
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「動画を作る余裕はないけど採用にショート動画を活用したい」というご相談をよくいただきます。企画・撮影・編集・投稿運用まで対応していますので、まずは現状のヒアリングだけでもご相談ください。
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冒頭3秒が全てを決める
TikTokのアルゴリズムは「視聴完了率」を非常に重視します。最初の3秒で「続けて見たい」と思わせないと、そのままスクロールされて終わりです。
採用動画の冒頭に使えるパターンをいくつか挙げると:
- 「〇〇業界を目指す人が絶対知っておくべきこと」という問いかけで始める
- 「うちの会社、正直ここが大変です」という逆張りの正直告白から入る
- 珍しい職場の風景や設備を映して「なにこれ?」という興味を引く
「普通の会社紹介です」という文章から始まる動画は、3秒で離脱されます。
投稿頻度と運用体制の作り方
採用TikTokを「誰が、どれくらいの頻度で更新するか」を決めずに始めると、たいてい2ヶ月で止まります。
現実的な投稿頻度の目安
採用専任担当者がいない中小企業の場合、週1〜2本が現実的な継続ラインです。週3本以上が理想とよく言われますが、クオリティを保ちながら週3本を半年続けるのは、専任担当なしでは相当きついです。
弊社が見てきた中で安定して運用できているのは、「企画は月1回まとめて行い、撮影は週1〜2回、編集は後回しにしない」という仕組みを作っている企業です。毎回ゼロから企画を考えるのではなく、ネタリストを事前に作っておくことが継続の秘訣です。
担当者の役割分担
一人に全部任せると消耗します。最低限でも以下の3役割を分けることをおすすめします:
- 企画・管理担当:テーマ決め・投稿スケジュール管理・効果測定
- 出演担当:必ずしも固定にしなくていい。複数の社員が出ると視聴者層が広がる
- 撮影・編集担当:スマホ撮影+CapCut等の無料アプリで十分なことも多い
出演者を一人に固定すると、その人が異動・退職したときにアカウントが止まります。複数の社員を巻き込む体制を最初から設計するのが長続きのコツです。
内製・外注の判断と費用感
採用TikTokを自社でやるか、外注するかで迷っている方は多いです。どちらが優れている、という話ではなく、自社の状況によります。
内製が向いているケース
動画編集ができる社員がいる、採用担当者が週5時間以上TikTokに使える、ブランドの独自カラーをそのまま出したい——こういった条件が揃っていれば内製でも十分です。コストを抑えながら自社らしさを前面に出せるのが内製の強みです。
外注が向いているケース
採用担当者が本業で手一杯、動画制作の知見がない、早く結果を出す必要がある——こういった場合は外注の方が費用対効果が出やすいです。
TikTok運用代行の費用相場については、TikTok運用代行の費用相場と月額料金の内訳で詳しく解説しています。採用目的での外注を検討している方は参考にしてください。

弊社が見てきた採用TikTok失敗パターン3選
採用目的でTikTokを始めた企業がつまずくパターンには、ある程度の共通項があります。
失敗パターン1:「会社の良さ」を一方的に語る動画ばかり作る
「弊社は〇〇に力を入れています」「社員の成長を大切にしています」——こういったPR文句は、採用ナビに書くには問題ありませんが、TikTokで流れてきても誰も止めてくれません。
TikTokで見てもらえるのは「この人たちと一緒に働きたいか」「この職場どんな感じか」が感じ取れるリアルな動画です。会社のブランドイメージよりも、社員の個性や職場の日常が見えるコンテンツの方がエンゲージメントは高い傾向があります。
失敗パターン2:3ヶ月で効果が出ないと判断して止める
TikTokのアルゴリズムはアカウントの積み上げを評価します。最初の1〜2ヶ月は再生数も伸びにくく、フォロワーも増えにくい。この時期に「効果なし」と判断して止めるのは早計です。
弊社がサポートしてきた複数のアカウントで共通していたのは、「コンスタントに3〜6ヶ月投稿を続けたタイミングで反応が変わってくる」というパターンです。特に採用は一定のフォロワー数と投稿数が積み上がってから応募に繋がるため、短期的なROIで判断しないことが重要です。
失敗パターン3:トレンドを意識しすぎて「どこの会社かわからない」コンテンツになる
バズった動画のフォーマットを真似すること自体は悪くありませんが、その企業らしさが消えるほど真似すると逆効果です。
採用TikTokは「この会社、面白そう」「こういう人たちと働いてみたい」と思わせることが目的です。トレンドフォーマットを使いながら、「うちの会社らしい要素」をちゃんと入れることが大事です。具体的には、自社の事業内容・職場の特徴・社員の人柄が伝わる何かを毎回1つは入れるようにするといいです。
まとめ:TikTok採用を始めるための優先順位
採用TikTokをうまく機能させるための要点を整理します。
- アカウント設計:採用専用 or 既存アカウント活用を決め、ビジネスアカウントに切り替えてプロフィールを整備する
- コンテンツ設計:日常・仕事紹介・社員インタビュー・Q&Aの4カテゴリーで月のネタリストを作る
- 体制設計:企画・出演・編集の役割を分け、週1〜2本を継続できる仕組みを作る
- 継続する:最低3〜6ヶ月は続けて評価する。初月で判断しない
TikTok採用は「とりあえず始めてみたら動きが出た」という話を最近よく聞きます。最初の一歩のハードルは低い。ただし、続けるための仕組みを最初に作っておくかどうかで、6ヶ月後の結果が大きく変わります。
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