企業がTikTokを始めても3ヶ月で止まるケースは、弊社が見てきた中でも珍しくありません。ただ、その原因のほとんどは「動画のクオリティが低かったから」ではない。続かない理由の大半は、始める前の設計にあることが多いんです。
アカウントを作って投稿してみたはいいが、何を基準に判断すればいいかわからない。担当者が消耗して週1本の投稿すら維持できなくなる。「再生回数が増えない」という報告だけで次の一手が出ない——そういう状況に陥る企業を、弊社はこれまで何社も見てきました。
この記事では、企業がTikTokを始める際のビジネスアカウント開設手順から、最初の1ヶ月で整えておくべき運用体制まで、実務目線でまとめます。「とりあえず始めてみたい」「社内の誰かに任せようとしている」という段階の方に、特に読んでほしい内容です。
ビジネスアカウントの開設手順(5ステップ)

技術的な手順自体は難しくありません。ただ、各ステップで「企業として後で困らない設定」をしておく必要があります。
ステップ1:アプリからアカウントを作成する
スマートフォン(iOS/Android)からTikTokアプリをダウンロードします。登録はメールアドレス・電話番号のほか、GoogleアカウントやAppleIDでも可能です。
ここで一つ注意点があります。企業の運用アカウントは、個人のSNSアカウントと紐付けないこと。担当者が異動・退職したとき、ログイン情報の引き継ぎで困るケースが多い。最初から「会社用のメールアドレス」で登録しておくのが安全です。
ステップ2:プロフィールを「企業用」に整える
アカウント作成直後は、プロフィール写真・ユーザー名・自己紹介文がデフォルトのまま。ここを放置して投稿を始める企業がいますが、プロフィールが未整備だとフォローしてもらいにくい。
- プロフィール写真:会社ロゴが安定。初見で「どの会社か」がわかること
- ユーザー名:会社名をそのまま使うか、事業内容が伝わる名前にする。後から変更可能だが、変えすぎるとフォロワーが混乱する
- 自己紹介文:150文字以内。「何を発信しているチャンネルか」を1行で伝える。URLはビジネスアカウントに切り替えると追加できる
ステップ3:ビジネスアカウントへ切り替える
通常のアカウントのままでは、詳細な分析データが見られません。ビジネスアカウントへの切り替えは「設定 → アカウント管理 → アカウントを切り替える → ビジネスアカウント」で完了します。無料で使えます。
ビジネスアカウントになると、インサイト機能(視聴者属性・リーチ数・エンゲージメント率など)が開放されます。これがないと運用の改善ができないので、最初から切り替えておくことを強くおすすめします。
ステップ4:カテゴリ・連絡先情報を設定する
ビジネスアカウントでは、業種カテゴリと連絡先情報(メール・電話)を設定できます。カテゴリは事業内容に近いものを選ぶと、TikTok側のアルゴリズムが配信先を最適化しやすくなる可能性があります。
連絡先は必ず設定してください。プロフィールに連絡先ボタンが表示されるようになり、問い合わせ導線として機能します。
ステップ5:プライバシー設定を確認する
新規アカウントは最初「非公開」になっているケースがあります。「設定 → プライバシー → アカウントのプライバシー」で公開設定を確認しておきましょう。また、コメント設定・DM設定も初期確認が必要です。炎上リスクを考えると、初期はコメントを「フォロワーのみ」に設定しておいて、運用に慣れてから全体公開にする企業もあります。
始める前に決めておくべき3つのこと

アカウントを作ること自体は30分もあればできます。問題はその後。何のために運用するのか、誰に届けたいのか、どれだけのリソースを投入できるのか——この3点が曖昧なまま投稿を始めると、たいてい2〜3ヶ月で行き詰まります。
目的を「1行の文章」で言えるか
「認知拡大のため」「集客のため」では目的として弱すぎます。TikTokに限らず、SNS運用が迷子になる企業の多くは目的が抽象的すぎる。
たとえばこういう具体性があると、投稿内容の判断軸ができます。
- 「福岡市内の20〜35歳の女性に、自社の新メニューを知ってもらう」
- 「新卒採用の応募者を増やすために、社風と職場の雰囲気を伝える」
- 「TikTokを通じてECサイトへの流入を月100件増やす」
「この動画は目的に沿っているか?」と自問できる状態を作ること。それが最初のステップです。
ターゲットを具体的にイメージできるか
TikTokのユーザー層は幅広くなっています。20代だけでなく30〜40代のビジネスパーソンも増えており、「TikTokは若者向け」という認識は2024年あたりから崩れつつあります。
重要なのは、「自社のターゲット顧客がTikTokにいるか」を確認すること。業種や商材によってはTikTokより他のSNSのほうが効果的な場合もあります。競合の企業アカウントを調べて、ターゲット層のエンゲージメントがあるかを確認しておくと、始める前の判断材料になります。
投稿体制をいつまでに整えるか
弊社がよく相談を受けるのは、「始めたいけど社内に動画を作れる人がいない」というケースです。
TikTokの投稿は週に2〜3本程度が継続性のある頻度の目安で、1本あたりの企画・撮影・編集に慣れるまでは3〜5時間かかることもある。これを誰が担当するかを決めずに始めると、最初の1ヶ月で担当者が消耗します。内製でやるか、外注に任せるか。この判断については後のセクションで詳しく触れます。
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最初の1ヶ月でやること(実務チェックリスト)

アカウントを開設した後、最初の1ヶ月はいわば「試運転」の期間です。いきなり完成度の高い動画を出そうとするより、まずは動かしながら学ぶスタンスのほうがうまくいくケースが多いです。
1〜2週目:リサーチとアカウント設計
- 競合アカウント(同業・同エリア)を10〜20件フォローして視聴習慣をつける
- 「どんな動画が伸びているか」をフォーマット別に分類する(トーク系・字幕系・日常系・お役立ち系など)
- 自社が出せるコンテンツの「ネタリスト」を20本以上書き出す
- 投稿のトーン(真面目 or 砕けた)とビジュアルの方向性を決める
このリサーチ期間を省略して投稿を始めると、「なんとなく作って投稿→伸びない→やる気が落ちる」という負のサイクルに入りやすい。
3〜4週目:投稿と効果測定のルーティン構築
- まず3〜5本を試験投稿する(クオリティより継続を優先)
- 各動画の視聴完了率・プロフィール遷移率・フォロー率をインサイトで確認する
- 「伸びた動画」と「伸びなかった動画」の違いを言語化する
- 次の1ヶ月の投稿テーマと本数を決める
TikTokは最初の7〜14日間で新しい動画への反応を見て、配信範囲を決めるアルゴリズムになっています(※仕組みは変化するため、あくまで参考値)。最初から毎日投稿するより、週3本程度のペースで質を安定させるほうが長期的な成長につながります。
プロフィール設計で見落としがちなこと

投稿の内容に集中するあまり、プロフィールの最適化が後回しになっている企業アカウントは多い。ここを整えるだけで、動画を見た人がフォローしてくれる確率が上がります。
自己紹介文の「最初の1行」が全て
TikTokのプロフィール画面では、自己紹介文の最初の1〜2行しか表示されません(「もっと見る」をタップしないと全文は見えない)。最初の1行に「何のチャンネルか」を凝縮させておく必要があります。
例)「福岡のショート動画制作会社 | 企業のTikTok・Reels運用をサポート」「九州の中小企業向けSNS運用のノウハウを発信」
固定動画の活用
ビジネスアカウントはプロフィールの最上部に動画を最大3本固定できます。新しい訪問者が最初に見る動画です。ここには「チャンネルの自己紹介動画」か「代表的な成果を見せる動画」を置くのが定石です。
企業認証の申請タイミング
TikTokには「企業認証」の仕組みがあります。認証を受けると、プロフィールにバッジが表示されて信頼性が高まります。ただし、認証の審査基準は公開されておらず、フォロワー数や投稿実績が必要になることが多い。最初から申請するより、3〜6ヶ月運用してある程度実績が積み上がってから申請するほうが審査が通りやすい印象です。
弊社が見てきた「序盤の転び方」3パターン

TikTok運用を始めた企業が最初の3ヶ月で行き詰まる理由は、業種に関わらずだいたい同じパターンに収束します。
パターン1:完璧主義で最初の1本が3ヶ月後になる
「クオリティが低い動画を出したら会社のイメージが落ちる」という考えから、企画・脚本・撮影・編集のすべてを社内で整えようとして、最初の1本が完成しないまま時間が過ぎるケースです。
TikTokは量をこなしながら改善するプラットフォームです。最初の10本は「練習」だと割り切って、まず公開することを最優先にしてください。失敗した投稿は後から非表示にもできます。
パターン2:担当者1人に全部任せて消耗する
「社内で一番SNSが詳しいから」という理由で1人の担当者にすべてを押し付けるパターンです。企画→撮影→出演→編集→投稿→コメント対応を1人でやり続けると、2ヶ月もすれば疲弊します。
最低でも「企画担当」と「撮影・編集担当」を分けることをおすすめします。出演者は社内で持ち回りにすると、多角的な視点が生まれてコンテンツのバリエーションも広がります。
パターン3:数字が出ないと2ヶ月で止まる
これが一番多い。TikTokは始めて最初の1〜2ヶ月は成果が出にくい時期です。フォロワー数が数十人、再生数も伸びない状況で「効果がないからやめよう」と判断するのは早すぎる。
弊社が運用支援をしてきた複数のアカウントで共通していたのは、「3ヶ月目以降に数字が動き始める」というパターンです。1〜2ヶ月はアルゴリズムに認知されるための積み上げ期間だと考えてください。判断を急ぎすぎないことが、TikTok運用で続ける上でおそらく最も重要なことです。

内製か外注か:企業TikTokの体制づくり

「社内でやるか、プロに任せるか」は、始める前に決めておきたい選択です。ただし、どちらが正解という話ではなく、自社の状況によって変わります。
内製が向いているケース
- 動画編集の経験がある社員がいる
- コンテンツのネタが日常的に発生する事業(飲食・美容・観光など)
- 担当者が継続的に時間を確保できる
- まずは低コストで試したい
内製の場合、初期は学習コストがかかりますが、自社のカラーが出やすいコンテンツを作りやすいのが強みです。ただし、トレンドの把握やアルゴリズムの変化への対応に遅れが出やすいリスクもあります。
外注が向いているケース
- 社内に動画制作のリソースがない
- 成果を早く出す必要がある
- 本業が忙しく、SNSに割ける工数が週5時間以下
- TikTokの広告運用まで視野に入れている
弊社LEAD ONEには「最初は内製でやっていたが、伸び悩んで外注に切り替えた」という企業からの依頼も多くあります。内製でも外注でも、最初に設計した目的・ターゲット・KPIがあれば、どちらの体制でも軌道修正がしやすくなります。
内製と外注の判断基準については、TikTok運用 内製vs外注どっち?失敗しない判断基準で詳しく解説しています。福岡でショート動画の制作会社を探している方は、福岡のショート動画制作会社おすすめ5選も参考にしてみてください。
まとめ:企業がTikTokを始めるときの優先順位

企業がTikTokを始める際に重要なことを整理すると、こうなります。
- アカウント開設は5ステップ:アプリ登録 → プロフィール整備 → ビジネスアカウント切り替え → カテゴリ設定 → プライバシー確認
- 始める前に3つを固める:目的(1行で言える具体的な目標)・ターゲット(誰に届けるか)・体制(誰がどれだけやるか)
- 最初の1ヶ月は試運転:完璧な動画より継続が大事。3〜5本出して反応を見てから方向を調整する
- 3ヶ月は続ける:TikTokは序盤に数字が出にくい。最初の2ヶ月で止めない
TikTok運用を外部に依頼する場合の費用感については、TikTok運用代行の費用相場と月額料金の内訳をご覧ください。
福岡・九州での導入事例や具体的なサービス内容については、TikTok運用代行 福岡の選び方と費用相場もあわせてご参照ください。
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