2023年以降、企業のマーケティングにおいてTikTokを使った施策を実行する企業がたくさん増えてきました。
実際、TikTokの運用代行事業を行っている弊社にも、TikTokマーケティングの相談が増加傾向にあります。
特に、TikTokはこれまでのSNSとは異なり、新規の開拓に優れいます。そのため、多くの企業が新規の集客や採用を繋げるために企業がさまざまなアプローチでTikTokを使っています。
ですが、企業のTikTok運用には陥りがちな失敗パターンが存在します。
せっかくリソースを投下しても、失敗のパターンに当てはまってしまうと開始前からアカウント運用が失敗に向かってしまうリスクもあります。
そこで、実際に数十社のTikTokを運用してきた弊社のノウハウをもとに、『企業のTikTok運用でありがちな25の失敗パターン』を公開します。
これらの項目に当てはまらないようにTikTokを運用することを心がけてください。
以下の動画では、25項目を詳細に解説しています。より詳しく内容を理解したい方はこちらの動画を見てください。
- 企業のTikTok運用の失敗パターン25選
- 1. 再生数だけを追う
- 2. リソースの確保ができていない
- 3. 制作コストが高すぎる
- 4. 質の低い動画を量産する
- 5. 責任者が不在
- 6. ターゲットが不明確
- 7. 運用目的が不明確
- 8. 導線作りが甘い
- 9. 不適切なコンテンツの配信
- 10. 視聴者とのコミュニケーション不足
- 11. 撮影におけるミス
- 12. 売り込みすぎ
- 13. 一貫性のない投稿
- 14. 出演者の選択ミス
- 15. 数値を計測しない
- 16. テストを行わない
- 17. ただの丸パクリになってしまう
- 18. コミュニティガイドライン違反
- 19. 独自性が皆無
- 20. アンチコメントに過剰反応する
- 21. 投稿頻度が少なすぎる
- 22. 初期設計が不十分
- 23. 初期設計にこだわりすぎる
- 24. 編集が甘い
- 25. 普段からTikTokを見ない
企業のTikTok運用の失敗パターン25選
1. 再生数だけを追う
多くの企業が、再生数の増加を最優先の目標として設定しますが、実際には再生数の高い動画が直接的に収益やブランド価値の向上に寄与しているわけではありません。
TikTokで成功を収めるためには、再生数だけでなく、視聴者との深い関係構築を目指すべきです。
対処法:
・戦略的な目標設定: 再生数を超えた目標(ブランド認知度の向上、リード獲得など)を設定し、それに合わせたコンテンツを計画的に制作します。
・エンゲージメントの追求: コンテンツが視聴者との関係強化に資するよう、インタラクティブな要素や価値提供を重視することで、真のフォロワーを獲得します。
2. リソースの確保ができていない
TikTokの運用は一見シンプルに見えますが、質の高いコンテンツを継続的に提供するためには、相応の時間、人材、予算が必要です。
リソース不足は、企業が高いパフォーマンスを達成する上での大きな障壁となります。
対処法:
・リソースの詳細な評価: 運用開始前に必要なリソースを詳細に評価し、現実的な計画を立てます。
・外部の専門家の活用: 必要に応じて、コンテンツ制作や運用の専門家を外部から招聘し、効率的な運用体制を構築します。
3. 制作コストが高すぎる
高品質なコンテンツ制作には投資が必要ですが、無駄なコストの発生はプロジェクトの持続可能性に影響を与えます。
特にスタートアップ段階では、コスト効率を考慮した制作プロセスの確立が求められます。
対処法:
・効率的な制作プロセス: 制作の各ステージでコスト効率の良い手法を検討し、無駄を省くことで継続可能な運用を目指します。
・コスト削減の機会の探索: 定期的なプロセスの見直しを行い、コスト削減の機会を探ります。
4. 質の低い動画を量産する
量より質を重視するアプローチがTikTokにおいては特に重要です。
質の低いコンテンツの大量生産は、短期的には再生数を稼げるかもしれませんが、長期的なブランドイメージの損傷につながります。
対処法:
・定期的な品質チェック: 定期的にコンテンツの品質を評価し、改善を図ります。
・フォロワーとの対話: コンテンツに対するフォロワーの反応を分析し、求められている容や形式を理解します。
5. 責任者が不在
広報担当者が複数いる企業などでは、TikTok運用の責任者が明確にされていない場合が多く、これが結果として一貫性のないコンテンツや方針の混乱を引き起こします。
バラバラのコンテンツが投稿され、『何のアカウントか分からない』という事態を避けるためにも、アカウント運用の責任者は1人つけておきましょう。
対処法:
・運用責任者の指定: 明確な責任者を設定し、全体の戦略やコンテンツの方向性を統括させます。
・定期的な戦略の見直し: 定期的にチームでミーティングを行い、戦略の効果を評価し、必要に応じて修正します。
6. ターゲットが不明確
TikTokで成功するためには、配信する動画が誰をターゲットにしているのかを明確にする必要があります。
例えば、ファッションブランドが若者をターゲットにしている場合、最新のトレンドやスタイルに焦点を当てたコンテンツを作成することが求められます。
しかし、このターゲット層が明確でなければ、動画は方向性を失い、ターゲットとする視聴者層に適切に響かず、結果としてエンゲージメントが低下する可能性があります。
対処法:
・ターゲットとするオーディエンス層のニーズと興味を深く理解するための市場調査を実施する。
・ターゲットオーディエンスに合わせたパーソナライズされたコンテンツ戦略を開発する。
7. 運用目的が不明確
「ただなんとなくTikTokを始める」というアプローチは、リソースの無駄遣いにつながります。
例えば、ある企業がブランド認知度の向上を目的にTikTok運用を始めたが、実際には具体的な目標やKPIが設定されておらず、活動が散漫になり成果が出ないケースがあります
運用目的が明確でないと、どのようなコンテンツを作成すべきか、どのようにパフォーマンスを評価すべきかが不明確になりがちです。
対処法:
・TikTokマーケティングの目的を明確に定義し、それに基づいた戦略を策定する。
・定量的および定性的なKPIを設定し、運用の効果を定期的に測定する。
8. 導線作りが甘い
TikTokで注目を集めた後、その関心を具体的なアクション(購入や問い合わせなど)にどのように変換するかが不明確な場合、投資対効果は大きく低下します。
視聴者が最初に動画を見るところから最終的にコンバージョンに至るまでのプロセスが不透明で、効率的な顧客旅程が設計されていないと、エンゲージメントを最終的な成果に結びつけることができません。
対処法:
・視聴者が興味を持ちやすいコンテンツから始め、徐々にブランドへの信頼を構築し、最終的には具体的なアクションを促すストーリーテリングを計画する。
・各ステップでの顧客の行動を促すクリアなコールトゥアクション(CTA)を用意する。
9. 不適切なコンテンツの配信
性的、暴力的な内容やその他不適切なコンテンツを配信することは、一時的な注目は集めるかもしれませんが、長期的にはブランドイメージを著しく損なうリスクがあります。
不適切なコンテンツの配信は、ターゲットオーディエンスからの信頼を失い、最悪の場合、社会的な炎上を引き起こす可能性があります。
対処法:
・ブランドガイドラインに沿ったコンテンツ制作プロセスを構築し、全てのコンテンツがこれに準拠しているかを厳密にチェックする。
・ターゲットオーディエンスが価値を見出し、ポジティブな影響を受ける内容に焦点を当てる。
10. 視聴者とのコミュニケーション不足
SNSの魅力の一つは、ブランドと視聴者間のインタラクティブなコミュニケーションが可能であることです。
TikTokでもこれは例外ではなく、視聴者と積極的にコミュニケーションを取ることは、ブランドの真剣さを示し、視聴者をファンに変える強力な手段です。
しかし、コメントへの返信を怠ったり、視聴者のフィードバックを無視したりすることで、コミュニケーションの機会を逃してしまうことがあります。
対処法:
・全てのコメントやフィードバックにできる限り返信する。
・視聴者の意見や提案を次のコンテンツのアイデアに活かす。
11. 撮影におけるミス
TikTokはビジュアルコンテンツが中心のプラットフォームであり、撮影の質は非常に重要です。
音声がクリアでない、背景音がうるさい、映像が暗すぎるなどの問題は、視聴者の視聴体験を大きく損なうため、撮影段階でのミスは避けるべきです。
また、スマートフォンの画面に最適化されていない動画は、視聴者に正しく情報を伝えられない可能性があります。
対処法:
・撮影前に機材のチェックを徹底し、必要に応じてマイクや照明を使用する。
・動画がスマートフォンの画面サイズに合っているかを確認し、重要な情報が画面上のボタンやアイコンに隠れないようにする。
12. 売り込みすぎ
TikTokを含むSNSでのマーケティングでは、直接的な売り込みよりも価値提供が重要です。
視聴者は、自分の興味やニーズに合わせたコンテンツを求めており、一方的な商品の宣伝ばかりされると離れてしまいます。
対処法:
・視聴者にとって有益な情報やエンターテイメントを提供し、自然な形で商品やサービスを紹介する。
・視聴者の興味を引くストーリーテリングやクリエイティブなアプローチを取り入れる。
13. 一貫性のない投稿
ブランドアカウントが一貫性のないコンテンツを投稿すると、視聴者はそのアカウントの目的や方向性を理解しにくくなります。
初期段階でさまざまなコンテンツを試すことは有益ですが、長期的には一貫したテーマやスタイルを持つことが、フォロワーを獲得し、エンゲージメントを高める鍵となります。
対処法:
・ブランドのアイデンティティに合ったコンテンツテーマを定義する。
・コンテンツの企画、編集スタイル、投稿頻度に一貫性を持たせる。
14. 出演者の選択ミス
企業がTikTokでコンテンツを制作する際、出演者の選定は非常に重要です。
出演者のモチベーションが低い、または動画への関心が薄い場合、その姿勢は視聴者にも伝わり、結果としてコンテンツの魅力が損なわれます。
特に、上層部からの指示で渋々参加している社員が出演すると、その消極性は動画を通じて視聴者に伝わり、エンゲージメントの低下を招きます。
対処法:
・出演者には、動画制作に対して前向きで、楽しんで参加できる人を選ぶ。
・出演者が自然体でいられるよう、撮影の雰囲気をリラックスさせる工夫をする。
15. 数値を計測しない
TikTokの「インサイト」機能を通じて、アカウント全体および個々の動画に関する多岐にわたるデータを確認できます。
これらの数値を無視して運用を続けることは、改善の機会を見逃すことにつながります。特に、視聴維持率や視聴完了率などの指標は、コンテンツの魅力を客観的に評価する上で重要な指標です。
対処法:
・定期的にインサイトをチェックし、特に視聴維持率や視聴完了率に注目する。
・数値が低い動画は、なぜ視聴者の関心を引けなかったのかを分析し、次回のコンテンツ制作に活かす。
16. テストを行わない
TikTokをはじめとするSNSマーケティングにおいて、仮説と検証のサイクルは非常に重要です。何がウケるか、どのような内容がバズるかは予測が難しく、実際にコンテンツを公開してみないと分からないことがほとんどです。
テストを行わないと、効果的なコンテンツ戦略を見つけ出す機会を逃してしまいます。
対処法:
・定期的に異なるスタイルの動画をテストし、どのコンテンツがより良いパフォーマンスを示すかを評価する。
・テストの結果を基に、成功した要素を他のコンテンツに応用し、改善点は次回の計画に反映させる。
17. ただの丸パクリになってしまう
TikTokでは、他のユーザーの成功したコンテンツを参考にすることが一般的ですが、ただの丸パクリは推奨されません。
オリジナリティのないコンテンツは、一時的には注目を集めるかもしれませんが、長期的なブランドイメージの構築には逆効果です。
対処法:
・他の成功しているコンテンツの要素を分析し、その魅力を自社のコンテンツに取り入れる際は、独自のアプローチやクリエイティブな要素を加える。
・オリジナリティを重視し、自社のブランドアイデンティティを反映させたコンテンツを制作する。
18. コミュニティガイドライン違反
TikTokには、プラットフォーム内での行動を規制するコミュニティガイドラインが設けられており、これに違反するとペナルティを受けるリスクがあります。
ガイドライン違反は、アカウントのペナルティや最悪の場合、アカウントの凍結につながる可能性があるため、慎重に行動する必要があります。
対処法:
・TikTokのコミュニティガイドラインを事前に確認し、遵守する。
・コンテンツ制作時には、性的表現、暴力表現、著作権侵害など、ガイドラインで禁じられている要素が含まれていないかを注意深くチェックする。
19. 独自性が皆無
TikTokにおける成功の鍵は、独自性とオリジナリティにあります。例えば、極端な例ですが企業アカウントがテレビ番組の切り抜きなど、独自性のないコンテンツでフォロワーを獲得しても、それが直接売上やブランドの強化に繋がるわけではありません。
視聴者は新鮮さや独自の視点を求めており、それが提供できなければファンにはなり得ません。
対処法:
・自社の強み、特色、価値を明確にし、それらをコンテンツに反映させる。
・コンテンツのコンセプト設計段階から、独自性を前面に出す戦略を立てる。
20. アンチコメントに過剰反応する
TikTokでのバズに伴い、アンチコメントや批判が増えることは避けられません。
これに過剰に反応し、落ち込んだり、怒ったりしてしまうと、本来の目的から逸脱し、さらには炎上を招くリスクもあります。
アンチコメントは適切なスルースキルをもって対応する必要があります。
対処法:
・構築的な批判には耳を傾け、改善に役立てる。ただし、悪意のあるコメントはスルーする。
・担当者が定期的にコメントをモニタリングし、適切な対応を行う。
21. 投稿頻度が少なすぎる
TikTokでは定期的な投稿が重要です。投稿頻度が低いと、視聴者との接触機会が減少し、フォロワーを増やす機会を逃します。
また、テストの機会も減り、何が視聴者に受けるのかを見極めることが難しくなります。
対処法:
・一定のリズムでコンテンツを投稿することを心がける。最低でも週に1〜2回は投稿を目指す。
・コンテンツの事前制作やスケジュール管理を徹底し、定期的な投稿を維持する。
22. 初期設計が不十分
TikTok運用を開始する前に、アカウントの方向性、目的、ターゲット層をしっかりと定めることが重要です。
これらが定まっていないと、コンテンツ制作時に方向性がぶれやすくなり、効果的なマーケティングが難しくなります。
対処法:
・運用開始前に、ブランドの目的やターゲット、コンテンツの方向性をしっかりと計画する。
・定期的にこれらの要素を見直し、必要に応じて調整を行う。
23. 初期設計にこだわりすぎる
初期の計画や設計に固執しすぎることは、TikTokマーケティングの柔軟性を損なう原因になり得ます。市場や視聴者のニーズ、TikTokのトレンドは常に変化しているため、初期の計画がうまくいかない場合には、戦略を柔軟に変更する必要があります。
対処法:
・定期的に戦略の効果を評価し、必要に応じて計画を修正する。
・変化に対応するための柔軟性を持ち、新しいトレンドや視聴者のフィードバックに基づいてコンテンツを調整する。
24. 編集が甘い
編集は、TikTokコンテンツの魅力を最大化する上で非常に重要なプロセスです
撮影された素材をどのように料理(編集)するかによって、視聴者の興味を引きつけることができます。編集が不十分であると、視聴維持率やエンゲージメントが低下する可能性があります。
対処法:
・視聴者の注意を引きつけるために、無駄な部分は削除し、情報量を高める編集を心がける。
・視聴維持率を高めるために、テキストやエフェクトを適切に使用し、視覚的に魅力的なコンテンツを制作する。
25. 普段からTikTokを見ない
TikTokのトレンドやユーザーの好みは素早く変化するため、定期的にプラットフォームを利用し、現在何が受けているのかを理解することが重要です。
プラットフォームを見ないままコンテンツを制作することは、マーケティング効果を大幅に損なう可能性があります。
対処法:
・定期的にTikTokを利用し、人気のコンテンツやトレンドを調査する。
・競合他社や類似の業界のアカウントをフォローし、彼らがどのようなコンテンツで成功しているかを学ぶ。
・視聴者がどのようなコンテンツに反応しているかを分析し、それを自社のコンテンツ戦略に取り入れる。